熊本阿蘇&宮崎高千穂


1日目


久しぶりに思い切っての家族旅行。屋久島からカーフェリーに乗り、鹿児島から車でのドライブ。屋久島〜鹿児島〜熊本〜宮崎〜鹿児島〜屋久島という予定。心配なのは強力な寒波が来ているということ行きのフェリーはうわさの寒波の影響なく出航。子供達との戦いが始まる。うーちゃんとそらくんは興奮してまったく寝ない。嬉しいことに船内にキッズルームがあり四時間ずっと遊んでいた。嫁さんといらくんは結構寝ることができて良かった。鹿児島南埠頭に十六時半ごろ到着、鹿児島新幹線開通により駅工事がはじまり、西鹿児島から中央鹿児島と駅名が変わりアミュプラザという駅ビルがオープンした。レストラン、ショッピング、映画など総合的に遊べる駅ビルでもちろん今回の嫁さんの旅のメインはアミュプラザなのです。時間もなく興味があるショップだけを次々と周り、気がつくともう二十時半、宿にそろそろ行かないと明日にひびいてしまう。鹿児島福祉会館という激安な宿に泊まる。鹿児島県庁の目の前で鹿児島赤十字会館の隣にあります。素泊まりなので久しぶりに食べたほか弁の味が懐かしい。寝るだけでしたが疲れをある程度とることができました。

二日目


朝八時半宿を出発し、九州自動車道に入り鹿児島空港を目指す。ばばちゃんが孫に逢うため合流する。ダンナは久しぶりの高速道路と本土での運転で緊張し、何故かすでに筋肉痛と腰痛。「慣れるまで80Kで走ってけばいいよ」と嫁さんが言うものの、なかなか80Kの壁を越えられないダンナ。鹿児島空港に到着。ばばちゅんの飛行機が寒波によって遅れている。1時間ほど遅れて鹿児島空港を出発し、熊本を目指す。時間が遅れてしまったのでダンナは100kの壁を越え、たまに130kの壁もたまに越えてしまった。うちの車は100k越えてもカンカン音がしない。普段はせいぜい60kくらいしか出せない屋久島なので始めて知った。だんだん雲行きが怪しくなり、寒波が近づいていることがわかる。明日観光するはずだった。阿蘇山中岳噴火口を今日のうちに見てしまうため、マクドナルドで昼食を済まして阿蘇山中岳へ向かう。既に雪化粧をしているのが心配であるがスタッドレスタイヤにチェーンと準備万端、来るなら来い寒波め。標高が上がるに連れて雪が現れたが中岳火口に到着、異常な寒さで他の観光者も震えて縮こまって歩いている。硫黄臭いガスが出ていて火口のすぐ横には噴火の際に非難する塔が点在しているがこんな近くで非難しても意味ないだろうと思った。家族皆で冬装備に着替えて火口を見に行く、なんだか足の感覚がない。ダンナは屋久島生活の癖で足だけビーチサンダル(素足)だったのです。すれ違う人が変な目で見らている。皆さんは知っていただろうか?阿蘇山は世界一とも言われるカルデラ火山なのです。冬は枯れ草と雪の景観で雑誌やテレビで見た青々した牧草の景色ではありませんでした。春とか夏にはリゾートとしていいんだろうな。


寒さに負け車に戻り、早々に阿蘇山中腹の宿阿蘇ファームビィレッジへ向かう。大自然テーマパーク、阿蘇ファームランド内にある宿泊施設で多国籍レストラン、焼肉、パターゴルフ、ふれあい動物コーナー、お土産、火山温泉などランド内ですべて楽しめてしまうのです。しかし寒波到来で吹雪いて広い敷地内の移動が大変。温泉へも長い距離を歩いていくのです。この施設のモットーは健康になってもらうために歩いてもらうことのようでこの寒波の中では小さい子供を連れては大変でした。宿は子供達が喜ぶような宮崎駿監督のアニメに出てきそうなドーム型の建物で天井に窓があり、天気がよければ星を見ながら寝ることができるお部屋でした。やけに広いレストランの多国籍料理もとても美味しくバイキングなのでいつもより沢山食べてしまいました。吹雪の中歩いていかねばならないので温泉は一度しか入りに行くことはなかった。残念。

3日目

朝食を食べてふれあい動物園で遊んぶ。子供達は動物に触れ合うことを楽しみにしていたのです。本当はテレビによく出ているチンパンジーのぱんくんとトレーナーの宮沢さんのいるカドリー・ドミニオンも立ち寄ってみたかったのですが時間の都合でファームランド内のふれあい動物コーナーのみ見学した。入るとすぐに子犬たちに囲まれひざの上に乗ってきた。よくなれてるなーと感心するとどうやら寒いらしく人間にくっついてくるようだ。その証拠にストーブの前には何匹いるのかわからないほど犬が天然毛玉となっていた。


次は大型犬コーナー>。ダルメシアンやセントバーナードや黒い熊みたいな犬が寒そうに遊んでいた。うーちゃんは大喜びで遊び、そらくんはセントバーナードのあまりに大きな巨体に恐怖し泣きわめいていました。その姿が面白かったので「別に気にしなくていいですよ。ほっといてください」と担当のお兄さんに言ったのにお兄さんは犬を遠ざけてしまった。

雪の屋外にはアヒル、フラミンゴ、ラマ、ミニブタ、カピバラ、ヤギがいて本当に寒そうだった。屋内には温室がありそこではワオキツネザルやカメ、オウム、インコ、グリーンイグアナなんかがいてエサをあげたり、肩に乗せたりできるのです。始めは怖がっていた子供達もエサをあげることが楽しいようでお姉さんに餌付けされ沢山ひまわりの種を貰っていました。そらくんは美人のお姉さんに釘付け動物を抱っこするよりもお姉さんに抱っこされたいって感じでした。子供は生き物が好きですね。寒波がこなければ、もっと動物も元気だったろうし、子供達も楽しかったのにね。また遊びにこようね。

宮崎県高千穂峡へ向かう。昨日通った阿蘇中岳山頂へ向かう道路は凍結し、周りの木々は樹氷となり、雪の重さで倒れている木もある。雪道をどんどん登って行き高千穂へ向かう分岐から下りだす。始めは凍結や雪で慎重な運転を行うが標高が下がると雪が消えて雪がちらつく程度になった。案外早く高千穂峡に着くことができた高千穂峡はダンナが楽しみにしていたのだ。五ヶ瀬川に生息する淡水魚を集めた高千穂峡淡水魚水族館を見ていよいよボート乗り場に向かった。

階段をくだりボート乗り場に着くと本日終了の案内。これでは見えないではないかと川原まで降りようとするが見えない。嫁さんがボート乗り場に行くと人がいて乗せて貰えると言う事になった。ラッキーだ。三十分1500円とお高い。沢沿いは以上に寒いが神々しい景色により寒さを忘れてしまう。嫁さんに「滝に近づかないようにだけ注意してね」と言われた。下手な人は結構滝に突っ込んでしまうだろう。案外ボートは難しい。よっぽどカヌーやカヤックの方が簡単である。嫁さんは前日からのどが痛いと言っていたが調子に乗ってボートに乗るから風邪でダウンして病院に送った。残された家族は宿に向かいホッと一息。今回の宿は宮崎県営国民宿舎、高千穂荘。神にもっとも近い宿がキャッチフレーズで歩いて五分で高千穂神社があるすぐ下には高千穂峡と立地条件も良し、建物やお部屋、浴室まで清潔でお食事もとてもおいしく。まさしくスローフード。地元で取れるヤマメ、イワナ、ニジマス。地元で作られる豆腐や油味噌、何と言っても高千穂牛、おいしくて参ってしまった。インターネットを見て予約をしたらドリンクサービス(ビール有)や夜神楽券までいただけたので感謝です。高千穂にきて流石に神話の里、どこの公衆トイレもとっても綺麗で便座が温かいのだ。本当に観光客のことを大切に思ってくれているんだなーと感心。

観光夜神楽を見に行く、とても楽しみにしていただけあって夕食ものんびりとる気分ではなく時間が気になってしまう。20時から21時までの1時間の舞である。高千穂神社へは徒歩5分ほどで大寒波により雪が降っている。境内を登る階段で街灯のやわらかい光に照らされた空気にキラキラと光る不思議な光景を見た。ダイヤモンドダストだ。不思議と寒さを感じないのに空気は凍っている。そんな幻想的な夜に太鼓の音が響いている。すでに神楽は始まっていて途中参加で申し訳なく神楽殿に入らせてもらった。入ったとたん法者の舞に釘付けになってしまった。天照大御神の岩戸隠を中心に神話の神々が登場する。ちょっとエッチな「御神体」などユーモラスな神楽もあり、神への奉納として舞う法者はまさに現代のシャーマン。宮崎県季刊誌じゃじゃの神楽特集である法者の方は舞っている最中は「何も考えられないですね。面様(神楽面)をつけたら神様の世界。自分がなくなります。」と語っていた。現代忘れかけていた太古の神々との繋がりが日本人として見えてきました。詳しく神楽を知りたい方は高千穂町ホームページの夜神楽をご覧ください。


4日目

朝目覚めると寒波の影響で20cmほど雪が積もっていた。道路状況は全面チェーン規制。当初、山間のひむか神話街道を南下する予定でしたが危ないと言うアドバイスから宮崎県の太平洋沿いから宮崎市内へ向かうこととした。朝、もう一度高千穂神社を参拝し、天の岩戸神社へ向かう。少し山間なので車の通りも少なく新雪の道路を走る。雪が舞う幻想的な天の岩戸神社へ家族皆で進むと、嫁さんとそらくん、いらくんは寒さでリタイヤする。そらくんは寒さのあまりよだれを垂らし泣き叫んでいる。ダンナとばばちゃん、うーちゃんの三人で遥拝(無料)を神主さんにお願いする。神主さんは作業着を着て雪かきをしていたのに細川家のために、わざわざ着替えていただき案内してくださいました。やはり神聖な場所でお払いを受け御神体である天岩戸を拝見させてもらいました。もともとは小さい洞穴だったかも知れないが現在は立てに崩れ大洞穴に見えました。いまだに中に入った者はいないと言っていました。中でも驚いたのは岩戸を開けた手力雄命がその岩戸を投げたという。それが現在の長野県まで飛んでいったというのだ。流石神様である。境内にはご神木「おがたまの木」が生え、神楽殿の前には古代イチョウの木が見下ろしていた。銀杏のみは細長く神楽を舞うときの舞鈴に使っていたと言う。(この古代イチョウは気根を伸ばしていた)

雪から離れるため、太平洋沿いに車を走らせる。しかし海沿いを走っても吹雪いている。早く市内に行かなくてはと焦ってくると雪が止み、晴れ間が出てきた。今度は車内が以上に暖かくなってしまい汗が出てくると車の通りが激しくなってきた市内についたみたいだ。宮崎市内で泊まる宿はホテルマリックス。部屋についてテレビをつけると民放でホテルマリックスのCMがバンバン流れていてエッと引いてしまった。宮崎では有名なホテルのようだ。ビジネスホテルだと思うがとても清潔で安心して泊まることができた。向かいの姉妹ホテル、ラグーンでは温泉を楽しむことができる。長時間のドライブで疲れがたまり、マッサージをお願いしようと思ったが、マッサージ椅子二回分で我慢した。


5日目

ホテルマリックスの朝食はバイキング形式で普通の朝食かな?と思っていたら、地域の食材を生かした金柑寿司(混ぜご飯)などがありとても美味しかった。ばばちゃんや子供達は疲れたり調子が悪かったので久しぶりに夫婦水入らずの朝食なのになぜか落ち着かず早々に部屋に戻る。さぁ出発と意気込むと、フロントで高速道路の一部通行止めを告げられた。しょうがないのでとりあえず暖かい日南方面の青島や鵜戸神宮を目指す。途中で巨人軍がキャンプ入りしている球場を通り、気持ちのよいくらい爽快に走れる道路を進むと美しい海岸線が見えてきました。鵜戸神宮は有形文化財で山幸彦の妻、豊玉姫が後の神武天皇の父親となる鵜萱草萱不合命(うがやふきのへずのみこと)を産んだ場所で岸壁の洞穴内に社殿が建つ。豊玉姫はワニの姿を見られ、赤ん坊のために自分の乳を岩に置いて行ったと言う伝説があり、実際お乳岩というさわるとお乳の出が良くなると言う。安産や育児祈願の神様で、ダンナが行った時も何組かお宮参りの方も参拝していた。

販売所では100円で小石5個を買い、亀の形をした岩の水溜りに入るか背中に当たれば願い事がかなうと言われている。(女性は右手、男性は左手で投げる)1人5個買えばよいのに何故か嫁さんは家族皆で5個の石を買ってきた。嫁さんは2個投げてうーちゃんは1個、ばばちゃんは1個、ダンナも1個投げた。水溜りには入らなかったが亀の背中には当たった。ダンナは願い事を考えずに投げてしまった意味無です。


6日目

無謀な家族旅行は無事に屋久島に着いたことで終わりを告げた。

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